経営者や総務担当者の多くが悩んでいることの一つは、自社の事故がなかなか減らないことです。自社の車両が事故を起こしてしまうと、相手方への賠償や車両の修理、ケガをした従業員が担当していた業務を別の人間に割り振るなど、通常とは異なる業務が発生します。もちろん次年度の保険料も上がることが予想され、費用面でも頭を悩ませることになります。
そのため、事故削減の取り組みの一つとして近年注目されているのがドライブレコーダーの活用です。中でもAI機能がついたドライブレコーダーの登場によって、これまで以上に事故削減効果に期待している経営者や総務担当者が多くいます。この記事では、AI機能付きドライブレコーダー導入による事故削減効果がどの程度あるのかについて解説していきます。

なぜ事故が減らないか

そもそもなぜ事故が減らないのでしょうか。
免許を取得するときに大半の人が自動車教習所に通い、基本的な運転技術とともに安全運転について学びます。様々な教材を使った学習で人が飛び出してきそうな場所を学んだり、事故を起こすとどのようなことが起きるかを学んだりします。

しかし、免許を取得して数年たつ頃には運転に慣れてきてしまい、自己流の運転をしてしまいがちです。免許を取り立てのころには気にしていた、進行方向のコンビニ駐車場から出てくる車両を気に掛けなくなってしまうような運転です。自身の進路や時間、仕事の伝票の確認など、安全に運転することよりも自分の都合や仕事が優先になってしまうのです。

その結果、事故を起こしてしまって多大な賠償金を支払うことになったり、自身がケガをして働けなくなったりしてしまうのです。

事故を減らすためにAI機能付きドライブレコーダーを導入する

ドライブレコーダーは運転中の映像を記録してくれます。自車車両の前方を撮影し、主に事故が起きたときに相手方がどのような動きをしていたのかを確認することで、自分の運転がその事故に対してどの程度責任があるのかを判断する助けとして利用されています。

また運転中の車内や後方を撮影できる複数のカメラを持ったドライブレコーダーもあります。車内カメラを持つドラレコが運転中の運転手の動きを記録することで、見られていることをドライバーに意識させて安全運転意識を高めさせることができます。安全運転意識の向上によって事故削減を期待しています。このドライブレコーダーを利用した運転手の安全運転意識の向上をより推し進めたものがAI機能付きドライブレコーダーです。

AIドライブレコーダーは大きく分けて2種類

AI機能付きドライブレコーダーには、「運転中の映像を分析してドライバーに注意をするもの」と「運転を評価してドライバーの運転をスコアリングするもの」があります。どちらも運転中の映像をAIが分析します。この2つの違いについて解説します。

AI機能付きドライブレコーダーがドライバーを注意する

事故を削減するためには、ドライバーの慣れによる自己流運転を改めさせる必要があります。自動車教習所で運転技術を学んだときを思い出してください。教官が同乗して、運転中に注意すべきポイントを指導してくれたはずです。この教官の代役を務めてくれるのがドライバーに注意喚起するAI機能付きドラレコです。

ドラレコはドライバーの運転中の様子を撮影するため、車外(前方)だけでなく、車内の映像も撮影します。車内カメラで主にドライバーの顔を検知し、AIが分析します。例えば、ドライバーの顔の向きを検知して運転中によそ見をしていないか、スマホを操作していないか、ドライバーのまばたきの回数を分析して居眠りをしそうかなどAIが事故につながる運転中の行動を判断します。こうして検知された事故につながる行動に対して、AI機能付きドライブレコーダーが音声メッセージなどでドライバーに注意を促します。経営者や総務担当者がなかなかできないドライバーが運転中に安全運転に関する声かけを、AI機能付きドライブレコーダーが代わって行ってくれるため、事故につながる行動を直接的に注意、抑制することができます。

AIによるドライバーの運転行動分析

経営者や総務担当者は同乗していない限り、基本的にドライバーがどのような運転をしているかを知ることはできません。ドライブレコーダーで常時録画されている映像を再生する方法もありますが、数時間程度の映像ならともかく、ドライバーの数が多ければ一人ひとりの映像を再生して確認することなどできません。このドライバー一人ひとりの運転中の様子を確認、分析してくれるのがドライバーの運転をスコアリングする機能を持ったAI機能付きドライブレコーダーです。

ドライバーが運転中に行った危険な行動を分析して第三者にもわかる形で評価するため、安全運転指導と行動が改善されたかがわかりやすいことが特徴です。車外、車内の映像をAIが分析し、例えば進行方向にいる人が道を横断しようとしているとき、ドライバーのブレーキが遅かったために急ブレーキを踏んでいるなどがわかります。

AI機能付きドライブレコーダーはどちらを選ぶか

どちらのAI機能付きドライブレコーダーもドライバーの安全運転意識を向上させるために役に立ちます。あえて一つを選ぶなら、ドライバーの運転をスコアリングするAI機能付きドライブレコーダーがおすすめです。

なぜならAI機能付きドライブレコーダーが運転中の危険な行動をドライバーに警告をしても、ドライバーのほかに誰もいない車内での出来事になってしまい、ドライバーはAI機能付きドライブレコーダーからの注意に結局は慣れてしまうためです。防犯カメラが設置されていても事件の決定的な抑止にならないように、ドライバーだけがAIによる注意を聞いていても、長期的には安全運転の意識は元に戻ってしまうのです。
安全運転の意識を継続して高めるには、ドライバーとAI機能付きドライブレコーダーだけでなく、経営者や総務担当者など第三者も含めた形で運転行動を可視化する方が役に立ちます。

AI機能付ドライブレコーダーの価格

AI機能付きドライブレコーダーの導入を検討するとき、価格はとても重要な要素です。一般的なドライブレコーダーと比較するとAI機能付きドライブレコーダーは1万~2万程度高いことが多いようです。
またAI機能付きドライブレコーダーがどのような機能を持っているかは機種によって違いがあるため、ドライバーへ注意するのみなのか、AIによるスコアリング機能ありなのかはよく確かめることが重要です。

最後に

AI機能付きドライブレコーダーは、経営者や総務担当者の事故削減の悩みを手助けしてくれるツールの一つです。機種によってはAI機能付きドライブレコーダー単体で利用することも可能ですが、管理面を考えると車両管理システムと連携した方が使いやすくなります。特にドライバーの運転をスコアリングする機能を持ったAI機能付きドライブレコーダーを利用する場合、録画された映像や分析結果をどのようにPCなどに取り込むかが課題になります。
ドライブレコーダーはSDカードに映像を保存するものがほとんどですから、10人のドライバーがいたら一日に10回の取り込み作業が必要となります。この手間と時間を考えるならクラウド型の車両管理サービスと連携できるものを選ぶと良いでしょう。車両管理システムなら車両の利用予約機能や日報を自動で作成してくれるものもあり、安全運転意識向上だけでなく、自社の様々な業務の効率化を図ることができます。ぜひAI機能付きドライブレコーダーを検討するときには車両管理システムもあわせて検討してみてください。