GPS車載器を使った管理システムをご存じでしょうか。GPSで車両の位置情報をリアルタイムに把握し、いつどこでどのような業務を行ったかを把握できるシステムです。業務効率化や経費削減に役立つといわれており、多くの企業で導入が進んでいます。この管理システムで使えるGPS車載器の種類や管理システムについて紹介します。

GPSとは

GPSは衛星からの電波を受信して地球上の現在位置を特定する仕組みです。身近なところでは、携帯電話やカーナビ、スマートフォン向けゲームアプリなどで利用されています。衛星からの電波受信を妨げるものがない場所や気候などの諸条件がそろえば、メートル単位の誤差で位置を特定することが可能です。

GPS車載器

自動車やバイクなど車両用に使われるGPSをGPS車載器と呼びます。車両に取り付けられるGPSは多くあり、その種類をいくつか紹介します。

マグネット式GPS車載器

車両にマグネットで固定して利用するGPSです。コンパクトなサイズが多く、車両外部に取り付けられるように防水仕様のものがあります。電源ケーブルのない充電式が多いため、利用時には電池残量に注意が必要です。

OBD2式GPS車載器

自動車に設置されているOBD2ポートに取り付けるタイプの車載器です。OBD2ポートは耳慣れない言葉かもしれませんが、2010年9月以降に日本国内で販売されるすべての新車にOBD2ポートの取り付けが義務化されています。GPS車載器の取り付けはマグネット式と同様に簡単で、ポートに車載器をはめ込むだけです。電源の供給もOBD2ポートから受けるので充電も不要です。基本的にOBD2ポートが搭載されている車両で利用できますが、OBD2の仕様はメーカーごとに異なる部分があり、OBD2ポートが搭載されていても利用できない場合がありますので、この点は注意が必要です。

シガーソケット給電式GPS車載器

シガーソケット(アクセサリーソケットとも言う)に差し込んで使用するGPS車載器です。電源をシガーソケットからとるため、OBD2式と並んで手軽に利用可能です。ただ近年では喫煙者の減少に伴ってシガーソケットがない、またはオプションとなっている車両がありますので、利用する場合は車両にシガーソケットがあるかの確認が必要です。ドライブレコーダーやカーナビの電源ですでに利用している場合も注意が必要です。

カーナビ

カーナビもGPS車載器の一つです。自車両の位置を地図上に表示するために利用されています。取り付けは工事が必要で、配線を隠すなど見た目よく仕上げるにはプロに頼むほうがいいでしょう。

ドライブレコーダー

ドライブレコーダーの中にはGPS機能を搭載したものがあります。GPS機能が搭載されたドライブレコーダーなら撮影した情報に映像以外の情報を追加することができ、どこで事故が起きたのか、事故時の走行速度などの情報を追加できます。GPSによって追加された情報により正確な事故時の情報を分析することが可能になります。GPS搭載モデルのドライブレコーダーは非搭載型と比較して価格が高くなることがデメリットです。

デジタコ(デジタル式運行記録計)

デジタコは事業用途の総重量7トン、最大積載量4トン以上のトラックに設置が義務付けられています。走行距離や走行時間、速度を記録する機能をもち、GPS機能を持った機器もあります。

GPS管理システム

GPS車載器を車両に設置するだけでは、業務効率化や経費削減に役立てることはできません。車載器を利用した管理システムも同時に導入する必要があります。GPS車載器で取得した情報はSDカードに保存、または通信機能を使ってインターネット上に保存され、管理システムがその情報を整理し使いやすく表示してくれます。

主な機能

  • 走行速度の記録
  • 訪問地の記録
  • 走行ルートの記録
  • 急ブレーキや急発進、急ハンドルの記録(危険運転の記録)
  • 日報や月報の自動作成
  • 通信機能付きGPS車載器で利用できる機能

    SDカードに情報を保存するGPS車載器では利用できない機能が、通信機能を持ったGPS車載器にはあります。それはリアルタイムでの位置情報の確認機能です。
    GPSで取得する現在地の情報をインターネット上にリアルタイムに保存していくことで、離れた場所からでも車両の場所を簡単に確認することができます。このほかにも、特定場所(地点)への到着をメールなどで知らせる機能や現在地から目的地までの到着時間予測機能などがあります。

    GPS管理システムを導入するには

    GPS管理システムを導入するにはGPS車載器の購入、管理システムの購入またはサービスへの申し込みが必要です。一般的にGPS車載器は取り付ける車両の台数分、管理システムは専用ソフトを購入するなら利用するパソコンの台数分が、インターネット上の管理サービスを利用する場合は利用者数分の費用がかかります。なお、GPS車載器は購入ではなくレンタルできる場合もあります。また専用ソフトを購入する管理システムの場合、初期費用が高額になるケースがほとんどです。

    GPS車載器導入にかかる費用

    GPS車載器本体の価格はどの種類を選ぶかで様々です。この記事で紹介した中で最も安価なものはマグネット式やOBD2式、シガーソケット式のタイプで、30,000円程度から購入が可能です。カーナビ、ドライブレコーダーやデジタコの場合は、通信機能の有無で価格が変わってきます。例えば、個人の利用が多い通信機能がないドライブレコーダーは安いものなら10,000円台から購入できるものがありますが、業務で利用する通信機能を持ったドライブレコーダーは30,000円台から購入できます。

    GPS管理システムで見込める経費削減

    GPS管理システムでは走行ルートや危険運転の回数などを記録できるため、これらの情報を活用して経費削減を図ることができます。導入によって削減が期待できる経費を紹介します。

    1.ガソリン代
    GPS導入前はブラックボックスと化していた目的地までの走行ルートを確認すると、最適なルートで走行したかがわかります。走行ルートの最適化を図ることでガソリン代の抑制効果があります。

    2.残業時間
    走行ルートを確認して最適な走行ルートを指示することでムダな走行時間を削ることができ、残業時間の削減効果も期待できます。また日報や月報の自動作成機能も従業員が報告書作成にかける時間を少なくできるので、残業時間の抑制効果が期待できます。

    3.保険料や修理代
    危険な運転を記録し、記録を基に適切に指導することで、従業員によい緊張感が生まれます。安全運転意識が高まると事故が減り、車両の修理にかかっていた費用や自動車保険料の削減が見込めます。

    4.管理業務コスト
    管理システムの多くは、車両情報も併せて管理できる機能を備えています。車検時期を登録して事前にアラートをだしたり、オイルやタイヤなど消耗品の交換時期を管理したりできます。管理システムがない場合は管理表を作成して担当者がスケジュールを管理することが一般的ですが、属人的な業務になりやすく、また手間がかかるため管理担当者に負担を強いてしまいます。目に見えにくいコストですが、この管理にかかる業務を管理システムに任せることで、コスト削減が期待できます。

    まとめ

    GPS車載器を導入し、対応した管理システムを導入することで、多くの企業が課題として抱える業務効率化や経費削減が期待できます。GPS車載器には種類があり、また対応する管理システムにも種類があります。どのGPS車載器と管理システムがいいのか、自社にあったものを選ぶことが大切です。GPS車載器、管理システムともに導入前にトライアルで使い心地を確かめることができるものがありますので、事前に試してみるとよいでしょう。